- 「美人カフェーで年越し」
エスカレーターからおりるとハッとする。
- ハッと目を引く美人がいっぱい居るからハッとする。
- 美女が大勢、店の前にずらっと並んだイスに座って客を待っているから、ハッとしてドキドキする。
- 豪華なコスチュームを身にまとった豪華な美女団体が、全員でにっこりするからドキドキする。
- でも、ドキドキしながらいつもちょっと考える。
ナンデコンナトコロニ座ッテイルノダロウ?・・・。
というのは、マッサージパーラー(以下MPと称す)に行く時に、客はこの前を必ず通らなければならないからだ。
ここの名前はミラージュカフェー。ラチャダーのエンターテイメントビル街からちょっとソイを入った所にある。
- ミラージュエンターテイメントビルに来た客は、エスカレーターを使ってまず2階に上がる。(エレベーターもあるが客はあまり使わない)
エスカレーターをおりて、ふと前を見るとミラージュカフェーの美女達が艶然と微笑んでいるっていう寸法だ。
- カフェーに来た客は、
- 「おおっ、今日も美女がいっぱいいっぱい♪」
と今宵の酒に心が弾むだろう。
が、MPに来た客は美女の誘惑を振り切るのに必死である。
- 初めて来た客は、まずここをMPと勘違いする。舌なめずりしながら美女達をじっくり眺めまわし、
「もう、こんな美女ばっかりで選びきれない〜〜」
なんて、嬉しい悲鳴を上げているうちになんか変だと気がつく。
コンチアケークが美女達を勧めない。
- 先に席につけと言う。
なんで?と周りを見渡すと、美女達の後にある色付ガラスの向こうに、うっすらとテーブルやイスが透けて見える。もっと向こうにはステージもあるようだ。
ナニカチガウ。
なんて考えていると、後から来た客達に左に折れて奥に入っていく者がいる。
奥に入る客を視線で追ってみれば、なんとその先に雛壇がある。
あれ、とよく周りを見てみれば美女達の頭上にカフェーの看板が・・・。
あらら・・・ここじゃなかったのね・・・と雛壇に向かってももう遅い。美女を見すぎて目が肥えてしまったからには、もう雛壇じゃ選べない。(注・別に雛壇の娘が美人じゃないと言っているわけではありません、あくまでも相対的なものです)
当然、別の店でも選べないのでがっくりと肩を落とし、家路を急ぐことになってしまう。
- 来たことがある客は、ここで美女達を見てしまうとMPの姫選びが難しくなるからと、顔を伏せ逃げるように雛壇に向かう。
ここにお気に入りの娘が居るにもかかわらずMPに行こうとしている客は、その娘に見つからないようにエスカレーターを駆け上がる。目をぎゅっと瞑ってカフェーの前を駆け抜けて雛壇に向かう。
駆け抜ける時、コーナーに有るすしカウンターに激突する常連客もけっこういる。(うそうそ)
- まあ実際は、ここにお気に入りの娘が居る客は他のMPで一風呂浴びてから、ここに来るそうである。
ね、店全体で考えた場合ここにカフェーの美女が座ることにより、けっこう客を逃しているはずと考えられる・・・でしょう?
- 実はMPに行くのにはもう一つ難関がある・・・おっと、あんまり脱線しない内にカフェーの話に戻そう・・・。
ミラージュカフェーの店内は、一般のカフェーとだいたい同じである。内装や調度品も飛びぬけて豪華というほどではないが、清潔に整えられている。
店の入口から真正面の奥に横長のステージがあり、その前にテーブル席が並んでいる。ショーを楽しみたい客は前のテーブルに座り、美女との会話を楽しみたい客は入口や窓に近い席に陣取る、という感じになっている。
- 年明け2時間前
新年をナナプラザで迎えようということで、友人と共にハリウッドで腰を落付けてビールをあおっていたのだが、なんだか店の盛り上がりが今一である。
いや、盛り上がってはいるのだが・・・まったくいつものとおりで、新年を迎えるという雰囲気ではない。
そこで友人と相談、カフェーに行くことにした。
- 年明け1時間前
どこにするかあれこれ考えたが、結局ここ、ミラージュカフェーの入口に立っていた。
まず、ミレニアムを迎える記念酒の相手をしてくれる美女を選ぼうと店の前を見渡すが・・・誰も居ない。
ああ、もう時間が遅すぎて美女全員指名されちゃったのね・・・とがっかりしていたら、なじみのチイママさん(ホントはフロア係ウエイトレスまとめ役というところだが、面倒くさいのでこう呼んでおきます)が駆け寄ってきて、
「ちょうどいいところに来た、早く席に着きなさい、早く早く」
と言って我々の手を握って席に誘導する。
「何で?何で?」
と言いながら誘導されるまま席に着く。幸か不幸か、中央部ステージ目の前っていうテーブルだった。
で、ステージに目をやって、チイママさんの「ちょうどいい」というセリフに納得。
- 美人歌手達のお披露目ショータイム大盛況というところであった。
新年用のスペシャル衣装を身にまとい、歌に合わせて優雅に舞う美女達、総勢百人(に見えた。実際は50人ほど?)のお披露目ショーは豪華絢爛だ。年越しにふさわしい。
あー、ここに来て良かった。
なんて考えているうちに、ショータイムはあっという間に終わった。
「さあ、(酒の相手は)どの娘にする?」
とチイママさんにせかされるも、正月用スペシャル衣装ばっかり目についていて、美女達を良く見ていなかったので選べない。
- 年明け30分前
うーん、なんて唸っていたらなじみの娘が寄ってきた。
- あらら、居たのね?今日は正月用特別美女にしようかと思っていたが・・・見つかったからにはしょうがない。
「おお、居た、居た。探したよ〜♪」
なんて(心にも無いセリフを)言いながら腰を抱き寄せると、彼女はにっこりと笑顔でワイをしてくれた。しかも今日は膝をかがめる正式に近いやつで。
- チイママさん苦笑して退く。
- やっぱりなじみの娘はいいなー。
- 何も言わなくてもウイスキーの濃さ(やっぱり濃いめじゃないとね♪)なんかをウエイトレスに指示してくれ、つまみも僕の好きなものを注文してくれる。
- きちんと僕の好みを覚えていてくれるなんて少し感激である。まあ、さっきと言っている事が違うのはご愛敬ってことで・・・。
友人にも前についた娘が来た。彼もまんざらでもない様子である。
- 店は8割程度の混雑具合である。
- 美女目当ての男だけグループの他に家族連れがけっこう混じっている。
- 場所柄ファラングループもちょっといる。耳に挟んだ会話のきれはしによると、どうやらタイ人と結婚したファランが自分の身内(タイ洋折衷)を連れて、奥さんの友達(ここの歌手)を訪ねてきているらしい。
うん、いいな。なんだかちょっと、年越しという雰囲気を感じる。
- 年明け15分前
ステージには美人歌手に代わって、TVなどでよく見かけるコンタロック達が立っている。
でも、やっぱり中央部ステージ目の前っていうテーブルはちょっと恥ずかしい。
- コンタロックの目の前であるため、座っている人間がコントのネタにされやすいのである。
今回はコンタロックから指名されたときに思わずお辞儀をしてしまったため、日本人のお辞儀と日本式の正月について、ということでしっかりネタにされてしまった。
- ついでだから「どうもどうも」というオールマイティな日本語を教えてやる。
- 僕についた美女も大笑いしていた。ちょっと嬉しい。
- さあ、年明け10秒前
コンタロックの指揮の元カウントダウンが始まる。シーーップ、ガーーオ、ペーーット・・・そういえばタイ式カウントダウンは初めてである。
ソーーン、ヌーーン!!・・・サワッデイピーマーーーーイ。
たちまちあふれる大歓声。
爆竹は弾けまくる、クラッカーもあちこちで威勢のいい破裂音をあげている。
人々は抱き合い、ビールを掛け合い、ミレニアムの喜びを身体中で表現している。
美女達も大喜び、みな着ている衣装をどんどん脱いで、素っ裸になって狂喜乱舞である。
- なんてなったらいいなー、と思ったのだが・・・カフェーの年明けはけっこう地味であった。
サワッデイピマーイ乾杯を1回、クラッカーが2発ぐらい、美女からほっぺたへのキス1回。
で、平常通り・・・というあっけない年明けだった。
- ミラージュカフェーデータ
ボトル(シーバスクラス)1300Bから、ボトルを入れればミキサーフリー。キープは4ヶ月。
- マーラーイ500Bから
- つまみ60Bから
- 歌手の美女達には給料がない。
- マーラーイやチップが収入の全てである。気に入ったら、チップを弾むかマーラーイを進呈しよう。
- 飲み食い料金は安い。ボトルが入っていればつまみだけの料金である。
byクロンタンのムコン
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